ちいさなたからもの
「ハッハッハッ。そうか、浩平がついに痴漢で捕まったか。そりゃケッサクだ」



「だれもそんな話してませんよ、お父さん」



「む・・・そうか」



「いや、そもそも父さん一回痴漢に間違われたことあったじゃん」



「え、いつだ?それ」



「ほら、この間遊園地に行ったとき」



「覚えてねぇや、悪いな」



思い出したくないらしい。



「パパ、ちかん?」



無邪気な桜が、そう尋ねた。



「いやあ、パパはそんなことはしないぞ。本当だ」



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