ちいさなたからもの

3日目

最終日の朝。



目覚めは快適だった。



今日から、幸せな時間が始まる。



最終日を、最高にしてみせる。



朝食を食べ終え、一旦部屋に戻る。



「桜、これなーんだっ」



俺は桜に、ぬいぐるみを見せた。



「それ・・・」



改めて、不気味なぬいぐるみだと思った。



「そうだ、昨日桜がなくしたぬいぐるみだぞ」



ぱあ、と桜の顔が明るくなる。



それを見て、俺も嬉しくなる。



「ありがとう」



そう言って、ぬいぐるみを受け取った。



そして、笑顔でこう言った。



「おにいちゃん、だいすき」



(ぐあ・・・・・・)



照れる。



めちゃくちゃ照れる。



けど、嬉しかった。


< 41 / 43 >

この作品をシェア

pagetop