羊の皮を被った狼。


「あー…そうそう君達…」


ビクッと肩を震わす先輩達。



「目障りだから、消えてもらえますか?」


ウルウルしたかわいい目でさらりと恐ろしいことを吐いたはるちゃん。



先輩は一斉に逃げ帰って行った。



「は、はるちゃん…あの」



「驚いた?悪いけどこれが本当の俺だから…。」



「そ、うなんだ…」



じゃあ…ずっと、アタシに優しくしてくれたはるちゃんは偽物?



「本当の俺は…いや?」
「全く嫌じゃありません!!」


だーかーらー!ウル目に上目遣いは反則でしょーが!!


「ありがとう…さすが俺の浬だね」



いつもとは違う表情のはるちゃんに、ドキッとした。






「鈴野様!出来上がりました!」


黒いスーツの怪しい人がドレスを持って走って来た。

なんか色んな意味で怖いんだけど。



「早かったね」


いや、早すぎでしょ。


「はい…はぁはぁ、ど、うぞ…はぁはぁ」


黒スーツの人、息切らしすぎでしょ!!どんだけ走ってきたね!?


「来る途中に犬に追いかけられまして…はぁはぁ」


犬かよ!!ってアタシ、今声にだしましたっけ?



「浬は素直だからね、顔にバッチリ出てたよ」



はるちゃんの場合読心術な気がします。





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