Fahrenheit -華氏-

「うん♪」


それでも部長はにこにこ笑って元気よく答える。




本当に……この人は何を考えて生きてるのだろう。


あたしの冷たい態度にもちっともめげない。





でもそんな部長がちょっと可愛いと思う今日この頃。


「ペットでも飼おうかな」


独り言を漏らした。


部長が「え?」と顔を上げる。







そうだな……



上質の毛並みをした大きい犬で、左右の目の色が違う犬。



あたしが呼ぶと尻尾を振って飛びついてくるの。



そしたら寂しさなんてまぎれるよね。






あたしは部長を見てちょっと微笑んだ。





「あ。また!今笑ったよね!!」



部長が声を弾ませて笑う。



.。・*・。..*・ Side Ruka End ・*..。・*・。.





< 116 / 697 >

この作品をシェア

pagetop