月影
ふらふらと辺りを見回しながら歩いていると、ちょうど曲がり角のところで、ドン!と誰かにぶつかった。

「ご、ごめんなさ…あ!」

そこにはコタロウと呼ばれている男性の姿があった。

「いや、こちらこそ」

短くそう答える彼。


ま、また会えた!


再度会えたことに、思わず嬉しくなる深幸。
だが、彼はそれ以上何も言わず、そのまま深幸の横を通りすぎていった。
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