月影
「政宗、相手の子まだきてなかっただろ?時間かかるだろうし、俺らとちょっと遊びに行こうぜ」

男の子が言う。

「いいね、どうせ撮影押すだろうし」

同意する怜。

「いかない」

そんな二人にはかまわず、深幸はあっさりと断った。

「やっぱりお兄ちゃんが一番〜ってか?」

少しだけ馬鹿にしたような言い方をする怜に、深幸はムッとした。

「カラオケ?ごはん?ショッピング?何がいい?」

そう言ってもう一人が近づいてくる。

「だから、行かないって…」

言いかけた所で怜に腕を掴まれた。

「離してよ」

睨みつける深幸を見て、怜は笑った。

< 56 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop