月影
「言ったでしょう?ここはもう、戦国の時代じゃないって。あなたはそうやって、誰かに気持ちを伝えていいのよ」
「俺、は」
その後は、言葉が続かなかった。
目からこぼれ落ちる、熱い雫が、静かに。小太郎の頬を伝っていく。
声を殺して、静かに泣く小太郎を、玲子は優しく微笑みながら見守った。
あなたはあっちの世界で、幸せになれたのよね?
幸姫の手紙を思い出しながら、玲子はそっと、目を閉じる。
だから私は、あなたを守ってくれたこの人が幸せになれるように頑張るわ。
あなたもきっと、それを望んでいると思うから。
ね、幸姫?
静かに、夜は更けていった。
「俺、は」
その後は、言葉が続かなかった。
目からこぼれ落ちる、熱い雫が、静かに。小太郎の頬を伝っていく。
声を殺して、静かに泣く小太郎を、玲子は優しく微笑みながら見守った。
あなたはあっちの世界で、幸せになれたのよね?
幸姫の手紙を思い出しながら、玲子はそっと、目を閉じる。
だから私は、あなたを守ってくれたこの人が幸せになれるように頑張るわ。
あなたもきっと、それを望んでいると思うから。
ね、幸姫?
静かに、夜は更けていった。