月影
「そんな都合のいい事、あるわけ…」

そう思ったのだが、もしかしたら、と思う気持ちがどんどん膨らんでいく。


よく考えてみたら、コタロウさんのこと、名前以外何も知らない。


どこに住んでいるのか、何歳なのか、仕事は何をしているのか、彼女はいるのか。

「あんなにかっこいいんだもん。彼女さん、きっといるよね」

そう呟いた時、少しだけ胸の奥がもやもやした。
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