月影
とりあえず、この間きたスタジオの近くまで来てみた。

「来てみたものの、どうしよう」

うーん、と小さく唸る深幸。
この間はコウがいたので、中に入れたが、今は自分だけ。もちろん、そうなると中には入れない。

「やっぱり、流石に無理があったかなぁ」

苦笑いをうかべながら、建物をながめる。
もちろんのこと、誰も知り合いが通る気配はない。

「はぁ…帰ろ」

深幸は項垂れた。
< 99 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop