ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「速攻寝てんじゃねぇかよ…。」

「宇佐、汐莉が起きたらめんどくさいからやめろ。」





不服そうな宇佐。




俺は何だかんだであんま表情を変えない宇佐が表情を簡単に変えたのにビックリだけど。






「宇佐、俺、優衣が退院するまで仕事しねぇから。」

「了解。まぁ、書類とかはお前じゃなきゃ無理だから持ってくるわ。」

「助かる。」





宇佐はきっと俺の気持ちに気づいてる。




少し黙った宇佐。





「…なぁ、駿。」

「なんだ?」

「あんま背負い込むなよ?」

「何をだよ…。」

「お前のせいじゃない。」

「…。」





やっぱり何もいえなかった。




はやく目を覚ませよ、優衣…。





お前が静かだと調子狂うわ…。





それから、宇佐は一回帰った。






「優衣…。」





呼びかけたけど、やっぱ返事はない。




俺は優衣の頭を撫でた。





「起きろって、優衣…。」






聞こえてんのか?




返事しろって…。





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