ヤンキー彼女とヤクザ彼氏

気がつくと、目に入ったのは白い天井。




ここどこ？




ってか…わき腹いてぇ…。




そのとき、誰かが入ってきた。





「駿…。」

「優…衣…？」

「なんか…痛てぇんだけど…。」





瞬間、駿があたしを抱きしめた。




いきなりで驚いた…。




「駿？」

「良かった、マジ…お前が起きなかったら…。」

「は？勝手に殺すなよ。ってかマジ痛いから、わき腹…。」





あたしをゆっくり離した駿は、笑ってた。




駿が笑ってて…何か安心した。





「お前なぁ…これ感動のシーンじゃねぇの？」

「なんのだよ。」

「まぁ、それが優衣か…。待ってろ、今医者呼ぶから。」





そう言って、一回あたしの頭を撫でてから駿は医者を呼んだ。




それから鎮痛剤を打ってもらった。




落ち着いてから、駿はこうなった経緯を教えてくれた。





「…ってわけだ。」

「なるほど。駿、今からそいつ殴る!!」

「は!?バカ！今立ったら…」





ムカついたあたしが立ち上がると、激痛が走ってよろめいた。




駿が、受け止めてくれた。





「鎮痛剤打ったじゃん!!」

「お前生死をさまよったんだぞ？」

「マジかよ…。」

「あの男は山寺の地下牢に閉じこめてあるから。好きな時に殴れ。」

「は？地下…牢…。いや、聞かない…。」

「なに言ってんだ？」





駿はあたしをベッドに戻して、イスを近づけて座った。





「優衣、両親には自分で電話するか？」

「あぁ。」

「そうか。ここではケータイ使っていいから。」

「はーい。」





あの人たちのことだから、かなり心配してんだろうな…。




ここに運ばれたときは駿が呼んでくれたらしい。



で、無理しかねないあの人たちを帰してくれたのも駿。




駿にはいろいろと感謝だな。




駿が居ないと、あたしはやっぱダメだ。