ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎駿



親父は昔から雅弥には甘いんだよ…。




まぁ、雅弥も憎めない性格なんだけど。




ってか、さっきから黙ってる母さんが不思議なんだけど…。




親父とケンカでもしたか?





大広間に入って全員が座り終わると、宴会が始まった。




まだ昼間だっつーの…。




山寺組はいつもこんなもんで、堅苦しいのは一瞬。




良いんだか悪いんだか…。





ってか、俺はそんなことより、さっきから優衣が気になってんだよ。




俺の後ろで黙ってて…可愛い。




けどやっぱいつもの優衣が好きだな。





「優衣。小さくなってないでいつも通り、な?」

「ちょ、駿…。聞いていいか?」

「なに?」





優衣は俺の耳元まで近づいた。




不覚にもドキッとした…!





「あのな、名前…わかんねぇ。」

「は?」

「だから、駿の両親の名前知らない。」





で、ずっと考えてたと…。




優衣は優衣だな!





「はは!あとで向こうから挨拶するだろ。」

「そんなもんか?」

「あぁ。」





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