ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
大広間に行くと、汐莉とその隣に亜衣がいた。




不思議な光景だ…。





「若頭、とりあえず座ったら?」

「ああ。」

「どうも…。あの時はご迷惑おかけしました。鶴田亜衣です。」

「鶴田…?あ、そうか…。」





優衣は養子だから。





「本題に入ります。あ、あたしから話して良いですか?」

「亜衣が一番わかってるじゃない。」

「はい。…結論から言うと、お姉ちゃんは今あたしが住んでる町にいます。」

「そうだったか…。」





やっぱそこか…。




ありえねぇなんて思わなきゃ良かった。





「今は使われてない古い家で寝泊まりしてます。食事はあたしが買って、毛布も届けて、あとは銭湯やコインランドリーで。」





不自由そうに見えるけど、一番安全かもな。




亜衣が金持ちだから続くんだろうけど。





「とにかく、優衣は無事なんだな?」

「はい。」

「安心した…。」

「で、家出に至った経路なんですけど…。」





急に亜衣は口を閉ざした。




戸惑ったように目が泳いでる。





「亜衣、言って。大丈夫、あたしが責任とる。」

「汐莉さん…。わかりました、話します。まず、追い込んだのは白峰って人。」





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