黒猫先生
そして、容姿で一番特筆すべきはその顔だった。
所謂イケメンと称される部類の、目鼻立ちの整った人間が本を読む姿は実に絵になる。そして、しばらく端眼に留めた理由は、そこにあると言うのが事実だ。
そして私は作文に、当たり障りもない、【先生は真っ黒だ】なんて書き出しを付ける。
作文なんてのは案外、書き出しが一番難しいもので、そこが決まればすらすらと、筆が進むスピードは止まりを見せなくなる。
一息に書き終えると、周りをそろりと見渡した。筆を置いた生徒の数は想像以上に少ないらしい。
時計に目をやると、あと5分もせずに授業時間を終えると分針が告げていた。
自分で書いた作文を読み直し、終わり何行か空いたスペースに、一文を書き足す。

『先生の名前、何て言うんですか?』

授業方針なんてどうでもいいことをべらべらと説明した黒い教員の名を、私は知らなかった。
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