危険なペット様との関係
4.ペットと飼い主の距離



数日後。






「…はよ。」


「っ?!ゆ、ユウっ…」


「そんなに驚くか?」


「ご、ごめん…」



………だめだ。



自分の気持ちに気づいてからというもの、ユウが近くにいるって意識するだけで、あたしの思考回路は止まる。



ドキドキがどんどん大きくなっていって



ユウにも聞こえてるんじゃないかってぐらい。



そんなあたしの気も知らないで、ユウがベッドに腰掛けて身体を寄せる。



ち、近いっ…!!



今のあたしにこの状況は地獄。



自然と、身体がユウを避けるように反る。



「…なんで逃げんの?」


「べ、別に逃げてない、けど…」



ユウの手がのびて



あたしの髪に触れる。



「っ…!!」



でも、反射的にあたしはユウの手を避けてしまった。



気づいた時にはもう遅くて…



ユウのあたしを見る瞳が揺らいだ。



「ごめん…」



謝っても気は晴れない。



顔を上げていられなくなって俯く。






「…………俺、何かした…?」














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