ひねくれ双子の険しい恋路
だけど、それを表に出すのはできなかった。
それって、
信頼するってことでしょ?
甘えるってことでしょ?
信頼するのも、甘えるのも、やり方が分からないんだからしょうがない。
だいたい、恥ずかしすぎる。
でも、それで裏切られたら――?
受け入れてくれなかったら――?
そんな不安もあった。
……でも、こんな弱々しいのなんてあたしらしくない。
たかが“友達”に、あたしが崩れるなんてありえない。
だから、心の奥に追いやった。
「でも…、なんで麻生静夜なの?」
梨沙が小さな声であたしに問いかけた。
『告白されたから』
「あたしアイツ大っ嫌い!“じゃー砂希ちゃんでいいや”って言ったんだよ!?」
『……』
梨沙は、涙目だった。
あたしは何も言わない。
「“砂希ちゃんでいいや”って、何様のつもりなの!?人のこと見下してるような感じで…!」
あたしもそれムカついたなぁ…。
確かにあの態度は嫌い。
だけど、しょうがないんだよ。
『…あたしが誰と付き合おうが、梨沙には関係ない』