ひねくれ双子の険しい恋路


だけど、それを表に出すのはできなかった。


それって、

信頼するってことでしょ?

甘えるってことでしょ?


信頼するのも、甘えるのも、やり方が分からないんだからしょうがない。

だいたい、恥ずかしすぎる。


でも、それで裏切られたら――?

受け入れてくれなかったら――?


そんな不安もあった。


……でも、こんな弱々しいのなんてあたしらしくない。


たかが“友達”に、あたしが崩れるなんてありえない。


だから、心の奥に追いやった。


「でも…、なんで麻生静夜なの?」


梨沙が小さな声であたしに問いかけた。


『告白されたから』


「あたしアイツ大っ嫌い!“じゃー砂希ちゃんでいいや”って言ったんだよ!?」

『……』


梨沙は、涙目だった。

あたしは何も言わない。


「“砂希ちゃんでいいや”って、何様のつもりなの!?人のこと見下してるような感じで…!」


あたしもそれムカついたなぁ…。

確かにあの態度は嫌い。


だけど、しょうがないんだよ。



『…あたしが誰と付き合おうが、梨沙には関係ない』




< 200 / 392 >

この作品をシェア

pagetop