君が好き!




「おー修也、おはよ!」

「あぁ、おはよっ!なぁ、昨日のテレビ…」




そんな声が遠くで聞こえる。


今日もかっこいいな…。

でも憧れすぎて、遠い存在すぎて。

〝好き〟にはなれないな…。


それがあたしのホントの気持ちだった。




「…瀬川?」

一瞬あたしの名前を呼ばれたのかと思って、

ドキッとしたけど、


奏が呟いたのはどうやら瀬川君のほうの瀬川、らしい。



「奏はホントに興味ないよね?」

「ないよ~あんな完璧な人さぁ?絶対裏とかあるって!」

「ないよ!」

「いーや、ある!」

「ないって!」


む~っと少し睨み合ってから、

どちらからともなく笑う。




だって毎朝この話題で喧嘩してるんだもん。


< 3 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop