君が好き!
「おー修也、おはよ!」
「あぁ、おはよっ!なぁ、昨日のテレビ…」
そんな声が遠くで聞こえる。
今日もかっこいいな…。
でも憧れすぎて、遠い存在すぎて。
〝好き〟にはなれないな…。
それがあたしのホントの気持ちだった。
「…瀬川?」
一瞬あたしの名前を呼ばれたのかと思って、
ドキッとしたけど、
奏が呟いたのはどうやら瀬川君のほうの瀬川、らしい。
「奏はホントに興味ないよね?」
「ないよ~あんな完璧な人さぁ?絶対裏とかあるって!」
「ないよ!」
「いーや、ある!」
「ないって!」
む~っと少し睨み合ってから、
どちらからともなく笑う。
だって毎朝この話題で喧嘩してるんだもん。