悪魔的ドクター
「お前の頭はそんなばっか。どうしてそうなるんだよ」


「そうは言うけどね!翔灯も、もう27よ?結婚考えないと、お母さん達も心配してるのよ?」



今度は説教かよ。



「悪いけど、今は結婚とか考えてないから」


「柚花(ゆずか)さんの事、まだ忘れられないの?」



その名前
久しぶりに聞いたな。



「そんなんじゃないから」


「早く、忘れなさい」


「椿には関係ない事だろ」


「せっかく心配してあげてるのにヒドイ子ね〜」



子供じゃないんだ。
自分の事は自分で決める。



「俺は仕事に戻るから」


「泊まっていいの〜?」


「断る。咲桜ちゃんがいるんだ。彼女に変に気を使わせたくないから、帰れ」


「ヒド〜イ。そんなにあの子の事が好きなのね」



これじゃまた
振り出しじゃないか?



「だから〜」


「"ただの患者"と同棲なんて、普通しないわよ?」


「悪かったな、普通じゃなくて。彼女を独りにしたくないんだ」



すべて独りで抱え込んで
気付いた時には限界を越えていて独りで傷付くから…。

医者の仕事の範囲外だが
これ以上咲桜ちゃんを
独りにはしたくない。



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