悪魔的ドクター
「絶対泊まるの!!野宿なんて、瑠樹が可哀想よ!!」



瞳をウルウルさせながら泣きつかれても、可愛くも何ともない。


それに野宿って…
今時カプセルホテルだってある世の中だぞ。


だがまぁ…
ホテルだと瑠樹が可哀想か…。



「咲桜ちゃんに聞いてみるから」


「は〜い♪」



まったく…
本ッ当に面倒な姉だ。


仕方なく
渋々俺は咲桜ちゃんに事情を説明すると…



「そんなの全然あたしは構わないですよ?」



あっさり許可された。



「あのテンションの女だぞ。断っていいんだぞ?ってかむしろ、断ってくれ」


「いえいえ。ここは先生の家ですから、あたしに決定権はないですよ」



結局そうなるのか…。

わかっていたけどな。
咲桜ちゃんは優しいから
イヤなんて言えないんだろう。



「1日で帰ってくれればいいんだが…」


「先生ヒドイ…。そんなにお姉さんが苦手なんですか?」


「まぁ…そんなとこだ」


「でも先生とお姉さん…仲良くて羨ましい…」


「咲桜ちゃん…」



そうだった。
彼女は妹と
仲が悪かったんだよな…


…仕方ない。
咲桜ちゃんに免じて
椿を泊めるか。




――……速水side END *。+†*
< 200 / 281 >

この作品をシェア

pagetop