悪魔的ドクター
「あんまり家族が好きじゃなかったのよね。両親マジメだったんだけど、とにかく仲が悪くて。毎日喧嘩ばっか。あたしなんて、小学生ですでに反抗期よ」



そう言いながら
椿さんは苦笑した。



「離婚はしなかったけどね。出来なかった…って言う方が正しいかも。父親はちょっと有名どころの社長してたから、世間体があったのよね。母親もプライドがあったから、離婚するなんてとんでもなかったみたいだし」



なんだかあたし以上に
先生の家庭環境…大変だよ。



「子供にとっては両親の離婚はツラいけど、だからって毎日喧嘩ばかりされたら、子供もグレるわよね」


「…はい」



椿さん言う通りだ。
子供は我慢するしか出来なくて
それがいつか爆発する。



「あたしは翔灯を置いて高校生で家を出て、風俗で稼いで…。気付いたらダメな大人になってて、ダメな姉になってた」


「椿さん…」



彼女の表情に
最初の様な明るさはなかった…。



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