悪魔的ドクター
なぜ先生のベッドに
白石さんが寝ているの…?






「咲桜ちゃん?」



先生に
覗いていた事を気付かれてしまい目が合った。



「ぁの…ごめんなさい!勝手に覗いてしまって…」



怒られると思い
深々と頭を下げて謝った。



「いや、いいよ。それより参ったな…。この来客、どうするか」



言いながら
ベッドに視線を移す。



「白石さん…ですか?」



あたしもベッドをチラッと見ながら確認。



「あぁ。酔っぱらっててな。ここに着いた瞬間、いきなり倒れやがった」



酔っぱらってる…?
白石さん
お酒飲んでるの?



「かなり飲んでるみたいだし、しばらく寝かせておくか…」



先生の部屋に
先生のベッド…。

そこに先生の"元婚約者"が寝ている…。


まさか夜はそのまま一緒に…。



「でも先生は…どこで寝るんですか?」


「ソファーがある。咲桜ちゃんは気にしなくていいよ」



いや、でも…
そうもいかない気が…



「ったく…。酒弱いくせに、潰れるほど飲むとは…」



そう言った先生が白石さんを見つめる目は、とても心配そうに思えた。



どうしてだろ…。

別れているって言っても
あたしには恋人同士に見えてしまう…。


そんな2人を見ていられなくて
あたしは
静かに部屋をあとにした…。





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