悪魔的ドクター
「それでいいって…そんな訳にはいかないだろ」


「それがいいの。ううん、それじゃなきゃダメなの…」



言ってる意味が
俺には理解出来なかった。



俺が柚花に出来る"助け"は
結婚だけなのか?







結局
この話に関しては何も触れられないまま、柚花はマンションをあとにした。



このまま帰すのはどうかとも思ったが、簡単に答えられる問題でもない。

今は俺も頭を冷やすべきだな。





  ♪~━…




ソファーに置いたままにしていた携帯電話が、着信を知らせた。


ディスプレイを見て溜め息。



発信者は姉の椿だから。



今度は何の用だ?
まぁ、だいたい検討はつくが…。



「何の用だ」


『大好きなお姉さんに、どうしてそんなに冷たいのかしら?』


「"大好き"ではない。冷たくもない。用があって電話したんだろ。早く言え」


『もう!本当に翔灯ったら、ド・エ・ス♪』


「切るぞ」


『待ってよ!わかったわよ。聞きたい事があって電話したの』



初めからそう言え。



『柚花さんに会った?』


「どうして知ってんだ?」


『女の感よ』



そんなバカな。



< 253 / 281 >

この作品をシェア

pagetop