夢和奏華
「今までどこに行ってたの?今日は神宮で*昼八つ時に待ち合わせって言ってたじゃない」




「ごめん!これ作ってたら遅くなっちゃった!」




「花冠?」




「うん!!狭也はもうすぐ元服するでしょ?元服すれば狭也は巫女様になるからあんまり会えなくなるから、今のうちに渡そうと思って!!」




―――――そのときは本当に嬉しかった

与那は気が弱くて最初はしゃべることもままならなかったのに、初めてプレゼントなんかしてくれて



あぁ、確かに元服するには早かったね。まだ子供だったし…まぁでもそういうのは全て智岼様が御決めになられるから逆らえなかったし、逆らうつもりもなかったから13歳の誕生日に元服した。与那は15歳だったと思う


曖昧なのは、私元服してから二十歳になるまでの七年間智岼様が居られる神宮の敷地内から出ることを赦されなかったから情報が手薄だったの。



あ。でも出られないことに苦痛はなかったのよ?智岼様は大変温厚な方でいつも優しくして下さって智岼様と一緒にいられる時が当事の何よりの幸せだった。





そのときの話も聞く?

ま、ジュースでも飲みながら聴いて頂戴。

(昼八つ時;現在でいう昼の2時。元来、"昼"はついてませんが午前2時と間違えないためにつけました)
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