スカイ・ライン
スカイ・ライン
 



憂鬱ってのはこういうのをいうんだろうか?










「おーいユースケぇ。俺の聞いてるー?」

島崎は机に突っ伏した俺を横から覗き込んで言った。

うっせぇな。

俺は片目だけで島崎を一瞥すると、再び顔を伏せた。


そんな俺の素っ気ない態度に屈することなく、島崎は

「あっ。そういえばさぁ」

と再び話し始める。


またこれかよ。

内容は耳に蛸ができるくらい聞かされた話。

彼女との初デート。

よほど思い出深いのか、何度も俺に話してくる。

だりぃ。

俺はひっそりとため息を吐いた。




ここ最近彼女が出来た島崎は、毎日毎時間俺の机にやってきては彼女のことを話す。

好きな彼女の仕草やら、今日の放課後の予定やら、デートの話やら、彼女に対しての悩み事やら。

彼女が可愛くてしかたないってことをエンドレス調に言う時だってある。

まじでうっとうしい。

でもどうしても突き放せない。

島崎が彼女に片思いをしていた時期を知っているから、余計に。


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