いちごおれはお好きですか?
『はい、終了。』
先輩は救急箱を片付けて私の横に座った。
「ありがとうございます。」
椎名先輩はなんでこんなに優しいんだろ…
みんなが言ってる先輩は、椎名先輩じゃない。
だって全然無口じゃないし、クールでもない。
…本当はとても優しくて、可愛い人なんだ。
『体育祭、サボろっか。』
先輩の突然すぎる提案に、私はびっくりした。
私が返事をする前に、
『だって早瀬、それじゃあもう出れないじゃん』
先輩は私の足を見ながらそう言った。
「…先輩は戻っていいですよ?私は一人で大丈夫です。」
これ以上、椎名先輩に迷惑かけられないよ…
『やだ』
…へ?
「し、椎名先輩?」
『早瀬と一緒にいるよ。』