「あの子…さっきの……」






腕時計で時間を確認する。


彼女がでていってからもう一時間以上は立っていた。





…何してんだよ。





じっと見ているといきなり彼女が履いていたヒールをぬぎすてて地面に裸足で立った。




「酔ってんのか…?」



町行く人々は彼女に目も暮れずに通り過ぎて行った。





まるで俺にしか見えていないように。





俺の目は彼女から離れなかったんだから。








「裸足でいたら足切れちゃうかもよ?」





「………!」






少しびっくりしたのか目を丸くして俺を見る。







あぁ。マスターの言ったとおりだ。


可愛い顔をしている。









…おっと、違う違う!
< 13 / 81 >

この作品をシェア

pagetop