ありがちな恋
それから俺たちは歩いて花火大会
がある河川敷までやってきた。

道の端や河川敷の空き地に
出店がたくさん出ていた。

「お兄ちゃん!見て見て!りんご飴!」

「ああそうだな」

「それだけ!?」

「俺に何を求めてるんだ愛奈は?」

「……買って?」

「はぁ」

「愛奈ちゃんに買ってあげるってことは
私にも買ってくれるよね?」

なんで俺がおごらなければいけないんだ。

「健よ。俺も買ってくれ」

「お前もかよ!」

なんて勝手な奴らなんだ。

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