ありがちな恋
それでもクラスの女子はそんなことなど
気にせずしつこく聞いてくる。

「え~それでもいいから教えてよ~」

それに他の女子も声をはさんでくる。

「あの人なら別に二股でもいい!ていうか
すでにしてたりして」

他の女子と笑いあっている。
そんな言葉を聞いて愛奈の何かが切れた。

「お、お兄ちゃんはそんな人じゃないもん。
いつでもやさしいし、怒るときは怒ってくれる人だもん。
だけど鈍感で意地悪でめんどくさがりで、だけど何でも
できる人だもん!」

愛奈はやってしまったと思った。明日から私の学校生活が
闇に染まる!とバカな考えが頭を回る。
だけど周りの女子たちはニヤニヤしている。

「え?なに?なんなの?」

周りの女子の一人が答える。

「フフ、やっと素直になった。最初からそういえばいいのに~。
もう高橋さん・・・いや愛奈って呼ばせてもらうわ。愛奈があの
先輩が好きなことはすでに割れてるのよ。あなたと同じ学校の子から
聞いてたんだから♪」

愛奈は開いた口がふさがらない。

「え?」

一言返すだけで精一杯の様子。
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