侵す領域、笑うキミ。
いつの間にか、本棚に背中を押し付けられていた。右手を本棚に縫い付けられて、彼の熱い息が耳朶に触れる。

彼の細い指が私の頬を撫でた。

「ねぇ、したい」

言うや否や、彼の舌が口内に侵入した。ぬるりとした感触に甘い痺れがぞくぞくと背中を走る。

…襲わないって言ったくせに、嘘つき。

声にならない文句を唾液に混ぜて彼に流し込む。

彼が笑う気配がして、正直な身体は侵される喜びに震えた。


...fin.
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

佐藤さんは甘くないっ!
天栞/著

総文字数/194,086

恋愛(オフィスラブ)291ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
会社の上司、佐藤さん(32)。 わたしが付けた影のあだ名は鬼畜シュガー (ばれたら確実に殺される!) 佐藤さんはめちゃくちゃかっこよくて、 頭が良くて、仕事がばりばりできて、 だけど傍若無人で怒りっぽくて口が悪くて、 微塵も優しくない。 ―――なのに、なんで? 「柴、お前が好きだ。 結婚を前提に付き合って欲しい」 「………な、なにかの罰ゲームでしょうか」 「はぁ?殺すぞ」 *色々ずれまくってるふたりの どたばたしちゃう、オフィスラブ* (20140904~20150806) ※20150813:恋愛ランキング17位! 嬉しすぎて発狂しました(*´∀`*) 読んで頂いた皆様、本当にありがとうございます! 佐藤さんは狼なので閲覧は \自己責任でお願い致します!/
春は来ないと、彼が言った。
天栞/著

総文字数/62,185

恋愛(学園)243ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
次にどの季節が巡って来るのか それは誰にもわからない そんな世界で生きる 春に想いを託したわたしと 春は来ない、と言った彼の 少し不思議な恋の話 fin.→May.9th 素敵すぎるレビュー \ありがとうございました!!/
真夏の残骸
天栞/著

総文字数/20,346

恋愛(キケン・ダーク)75ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
―――そこに、感情はなかった。 ただ、蝉の鳴き声が煩くて。 ただ、ただ、無言で見つめ合って。 ただ、ただ、ただ、唇を重ねた。 夏の過ちと、気付いてしまった感情。 ...fin.→Aug.30th

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop