いいから私の婿になれ
やがてトーストとベーコンエッグ、ポタージュスープとサラダというオーソドックスな朝食が黎児の目の前に並べられる。

それを堪能しつつも、黎児は昨日の事を思い出していた。

思えばエリアルは、幾つか気になる発言をしている。

エリアルが魔法を行使できるように育てたのは黎児だという事。

エリアルは黎児の生涯の伴侶として添い遂げる為にこの世界にやって来たという事。

エリアルを育てたのが黎児だというのなら、もしかしたら彼女自身を創造したのも黎児だと言うかもしれない。

勿論黎児自身には、創造も育成も身に覚えなどないのだが。

或いは全てエリアルが怪しげな電波を受信した上での妄想話か。

しかし黎児は現実に見たのだ。

エリアルが魔法を行使する姿を。

あれを見てしまっては、彼女の話を頭から否定する訳にもいかなかった。

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