【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





こんな嫌な奴なのに、どうしてこんなに気になるんだ。





どうして、その夢の行方を見たいと思ってしまう。





なぜ、こんなに輝いて見える…。






「どう?見たくなっただろ?」




「…ちょっとだけね。」





「それはよかった」







この時のその答えは、単なる気まぐれでもあったかもしれない。




けれどそう答えたことを、俺は間違ってなかったと思っている。







***********






「…それで、しつこく誘われて、メンバーに会わされて、演奏聞かされて。」




「それで?」





「…わかんない。」





「へ?」





「気がついたら、一緒にいて、一緒に音楽やってた」





すっかりかき氷を食べ終わってしまった李織さんは、そう完結した。





ってか、最後てきとー…。






「最後、めんどくさくなりましたね?」






「………。」






…わかりやすい。





仕方ないので、ここからはあたしから質問していくことにした。





「キーボード、やっぱり弾きたくなったんですか?」





「…悔しいけどね。あいつらの音聞いてたら、俺もしたくなった」




ほんのりと李織さんが笑った。




「アキの言った通りになったのは、気にくわなかったけど。でも、すごく耀いてた。眩しいくらいに。俺も、って思えた。」




当時を懐かしむように、目を細める李織さん。




あたしの知らない、昔のみんな。




出来れば、もっと前からみんなと出会っていたかったなと思う。




埋まらないその時間の差が、もどかしい。





「…ま、こんな感じ?大した話じゃないでしょ?」





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