コスモス―いちごの香り―
目を開けると
ザー…。


激しい雨の音で私は目覚めた。

目の前には、古びた天井、

――私、何してたっけ?


思いだそうとすると頭痛と目眩が襲ってきた。

「…痛…、」


雨の音をきくと更に目眩が強くなった。


その時、不意に襖が開かれた。


誰!?


私は襖に目を向けた。


――老人…?


そう、一人の老人が立っていた。

服装は古い着物に、慎重は低い。しわだらけの顔。
その顔からから何故か暖かい温もりが感じられる。

この人… 誰だろ?


「目が覚めたのかい?良かった…。

雨の中、倒れてたから連れてきたんだよ。いま、あったかいお茶を持ってこよう。」


さいごに優しくフ、と笑うと年寄りは部屋から出ていってしまった。


急に心細くなり、俯く。

私は、何でここにいるの?思い出せない…、

頭痛は収まったがまだ目眩がする。
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