思い出は消えない
「……あ…」

萩夜がいきなり

何か言おうとしていた。

「…どうしたの?」

「……あり…がと…な。」

「……萩夜。」

かすかだけど

確かに聞こえた。

萩夜の声。

私は萩夜の手を握った。

(こんなに細くて白くて…。頑張ったんだね。)

この時思った。

(もう、頑張らなくていい。もう、ゆっくりしていい。)
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