動作不良の恐れあり
佐藤さんが用意してくれた
車いすに乗る。
ほんとに佐藤さんは優しい。
「亜矢ちゃん」
「なんですか?」
「今度ね、亜矢ちゃんの
いる病室に亜矢ちゃんと
同い年くらいの男の子が
来るのよ。仲良くしてあげてね」
「はい」
私のいる病室には
これまでにも何回か
私と同い年くらいのひとが
来たことがあった。
でも…
みんな、いなくなる。
その中には、香織っていう
女の子がいて、
「あたし、絶対病気治すんだ!」
って言ってた。
でも、香織は
いなくなってしまった。
どうして頑張っていた香織が
いなくなってしまって
私がいるんだろう。