恋するマッシュルーム

「あれは怒ったうちに入らないよ、だって昔兄貴の事をキノコ呼ばわりしたヤンキーが居たんだけど、ソイツ一週間は学校に出て来れなかったし。」


「………。」




…何したんだコーヘー。


怖い…非常に怖過ぎる。


キノコおばけマタンゴ並の恐ろしさだ。


私は喧嘩する相手を間違えているのかもしれない。ブルブル。


顔面蒼白で立ち尽くす私に、多ロー君は再び驚愕の事実を教えてくれた。



「だから、カナちゃんは特別だよ。カナちゃんだけだもんあんなに兄貴が人間らしく振る舞うのは。」


「………。」



コーヘー…どんだけ冷酷人間だよ。


アレで人間味溢れてると言えるのか、私にブスバカコロスと言うのが!?


だとしたら、終わってる。


人間として終わってるぞコーヘー。


もう後は毒キノコとして生きていくしかないぞコーヘー!


幼なじみのとんでもない人間性に、改めてビックリこきまくりだった。

< 31 / 195 >

この作品をシェア

pagetop