恋するマッシュルーム
「あれは怒ったうちに入らないよ、だって昔兄貴の事をキノコ呼ばわりしたヤンキーが居たんだけど、ソイツ一週間は学校に出て来れなかったし。」
「………。」
…何したんだコーヘー。
怖い…非常に怖過ぎる。
キノコおばけマタンゴ並の恐ろしさだ。
私は喧嘩する相手を間違えているのかもしれない。ブルブル。
顔面蒼白で立ち尽くす私に、多ロー君は再び驚愕の事実を教えてくれた。
「だから、カナちゃんは特別だよ。カナちゃんだけだもんあんなに兄貴が人間らしく振る舞うのは。」
「………。」
コーヘー…どんだけ冷酷人間だよ。
アレで人間味溢れてると言えるのか、私にブスバカコロスと言うのが!?
だとしたら、終わってる。
人間として終わってるぞコーヘー。
もう後は毒キノコとして生きていくしかないぞコーヘー!
幼なじみのとんでもない人間性に、改めてビックリこきまくりだった。