幼なじみ
「違わない…だろ?」

「何…で。」

「結衣ちゃんのこと
 ずっと見てたからね。」

「…っ。」

「元彼だろ?」

「先輩…どうして。」

「ん?」

「どうして言うんですか。
 その名前を出さないで
 ください。」



人の口からは聞きたくない。



自分の中で大切にしたい。



もう…戻れないから。



思い出にするから。



邪魔しないでほしい。



「僕は結衣ちゃんのこと
 何でも知りたいから。
 結衣ちゃん。」

「っ!!」



先輩の手があたしの
頬に触れた。



「僕のものになってよ。」

「…やぁ。」

「そんな反応されたら
 俺も男だよ?」



お、俺!?



「結衣ちゃん…おいでよ。」

「ちょ、やっ。」



腕を握られた。




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