わたしとあなたのありのまま


「本日の体育は、男子サッカー、女子ソフトボール。
 従って、男子も女子も運動場!」

 山田が満面の笑みを浮かべ、私に向かってそう言った。


「だから?」

 うっとうしそうに目を細めて、冷ややかに聞き返す。

 山田はオールシーズン、24時間、ハイテンション。
 毎回、まともに相手をしていたら、疲れてしまう。


「やだなぁ、秋山、忘れてない?
 俺ら5組の体育は、7組と合同でしょうが」

 山田が肘で私を小突く。
 本当に面倒くさいヤツ。


「だから?」

 再び同じ言葉を山田に返した。


「『だから?』って、お前……
 田所のジャージ姿を堪能するチャンスじゃねぇか。
 思う存分眺めるがよい」

 得意げに胸を張って言う山田が、心底ウザいと思った。


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