SUMMER TIME LOVE

家の前の道を突き当たるまで真っ直ぐ、左に曲がってすぐ右に曲がる。


また真っ直ぐ進み、右側に見えてきた坂の階段を登る。




『太陽の丘展望台』

そう書かれている木の看板の前で足を止めて息を整えた。



あたしとこうちゃんの


“約束の場所”



10年前の夏…



こうちゃんが引っ越す前日だった。



今日でこうちゃんと遊べるのが最後だと聞かされたあたしはひたすら駄々をこねた。



『やだよっ!!やだやだやだっ!!』


『おれもやだよ!でもしょうがないじゃんっ!!』


『やだっ!!』


『また会えるから!』


『やだっ!やだっ!!』


『まこと……うっ…』



『やだ』しか言わないあたしをどうしたらいいのかわからないのと、こうちゃんも本当はずっと我慢していたであろう涙がポロポロと零れ、あたしは初めてこうちゃんが泣くのを見た。



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