SUMMER TIME LOVE
「おせぇよ…」
声と共に大好きなあの香りがあたしを後ろから包み込んだ。
さっきあんなにいっぱい泣いたのに、
また涙が溢れ出す。
「こう…ちゃん…?」
あたしを包む腕をあたしはそっと触れた。
「お前…待たせ過ぎ」
そして更に強くキュッと抱きしめられた。
「こうちゃん!」
あたしはパッと振り返った。
栗色の髪が風にサラサラと揺れ、ブラウンの優しい瞳にあたしが映った。
「ごめ…なさ…い…っ」
こうちゃんはふっと笑うともう一度あたしを抱きしめ、
「やっと会えた」
そっとあたしの耳元で囁いた。