SUMMER TIME LOVE

「い…一ノ瀬君!!」



顔を赤くして怒っていた岡崎さんの顔が一瞬にして青ざめた。


「何してんの?」



ゆっくりとあたし達に近づいてくる一ノ瀬君に、あたしはさっき殴られた頬を見られないように髪で隠した。



「あ…あたし達は…ちょっと話を…ねぇ?」


「そ…そう!安西さんと仲良くなりたいなぁって…!」



岡崎さん達は引きつった表情で下手な口裏を合わせている。




「こんなとこで?」



一ノ瀬君はあたしの横で止まった。



『………。』



どうしよ…


何か言った方がいいよね?



「あたし達…そこで偶然…「真琴は黙って」」



あたしの言葉を遮ると一ノ瀬君はあたしの頭にポンッと手を乗せた。



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