これはあなたへのラブレター

お別れの言葉


純くんに告白するって決めてから私の頭のなかにはずっと
『告白』の2文字がぐるぐると
おどっていた。


…それは一晩あけて朝になった
今もおなじなわけで。



…どうやって告白しよう……
…いつ告白しよう……
…なんて告白しよう……


………どうしよう………



その考え事は
お別れ会が始まっても
おわらなくて、
お別れ会中も頭の半分は
その事でいっぱいだった。



お別れ会は
みんな丸くなって
お互いの顔が見えるような
席の配置になっていた。


一人一人の顔を見ると
最後というのを実感してしまう。
これでほんとに最後なんだ…


わたしが卒業感にひたっていると
隣に座っている奈菜が話しかけてきた。

「ねぇ、あき…」

「ん??なぁに??」

「…純くん見てみ??」

え??純くん??

「う…うん…」


少しだけの不安を覚えながら
私は純くんのいる方向を見ると、

私の目には
純くんと純くんの隣で楽しそうに笑うなずながうつった。

しかも2人の間はたったの
3cmぐらいだったりして………


私は最後の最後まで
なずなに嫉妬している自分が
少しだけ嫌になっていた。



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