小指心
私は『シッシッ』と言いながら手で飛鳥を部屋から追っ払った。


バタンッ


「・・・」

蓮くんが南朋にキス、なんだよそれ。
じゃあさっき私に言ったことはなんだったんだよ。



『僕、梓ちゃんが好きみたいなんだ』



「・・・」

これが裏切られるっていうものなのか。

「はぁー・・・」

別に蓮くんが南朋の事を好きなら、それはそれで私はなのも口出しはしないよ。
・・・でもさぁ、あんな大胆発言をされた後にキスっていうのはどうかと思うね私は。

流石にショック受けまくりだよ。

「・・・」


ガラッ


こんなの、なんだか納得がいかない。
私は無意識にクローゼットを開いた。

「どーしよっかなー・・・」

私は適当に銀色のキリンのプリントが描かれている紺色のTシャツと薄い水色のサロペットを取り出した。ネックレスはなんだか『魔法少女・マリリン☆』みたいなハートに決めた。

急にまたやる気なくした。

この頃、私こんなんばっかだなぁー。


ピピピッ


「送信っと」

私はポケットに携帯をいれ、飛鳥にしばらく外に出ていると伝えた。
軽くいつものサンダルを履いて、ピアスがちゃんと付いてるか確認して。

玄関を出ると。

あぁ、まだ夏なんだな。

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件名 やっほ
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今から蓮くんの家に行くから

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