小指心

お休み

――――――――――――

「本当にご迷惑、お掛けしました。梓ちゃん、本当にありがとうね」

「いえいえ」

あの後、蓮くんのあ母さんが迎えにきた。
蓮くんはポーっとしている、相当熱いんだろう。

「先生・・・梓ちゃん・・・また明日・・・」

「蓮くん、熱直さないかぎり学校には来れないよ?」

「ああ、だから早く元気になれよ小山」

そういうと蓮くんは首をコクンと動かした。
・・・ちょっと可愛い。


 小指心
  お休み


――――――――――――


私は教室に戻った。
バレないように窓からのぞいてみると、まだ授業はやっている。

ギリギリセーフ。

「あっぶねー、バレてたら確実に殺されてたな・・・」



キーンコーンカーンコーン



「ありがとうございましたー」

ラッキー、授業も終わった!
早くお弁当食べたいなー、確か今日はチャーハンだったっけ。


ガラッ


「お、梓。お前、どこにいたんだよ」

「へ?」

「途中で消えたでしょ、みんな分かってるよ?」

うっそーん・・・
絶対バレてないと思ったのに・・・

「先生、怒ってる・・・?」

「いや、それがさぁ」

「なになに?」



「あんたの歌声に感動して、授業の途中に泣いたんだよね」



あの、鬼先が・・・泣いた?
いやいやいやいやいや、ないないないないない。

絶対、あり得ないから(笑)

「で、『こりゃあ一週間、宿題はなしだな・・・!!』って」
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