幸せの寄り道



「じゃあ早苗さん今日はありがとうございました!!楽しかったです♪」


「私も楽しかったわ♪またお買いもの行きましょうね!!」


「はい♪」


そう言って玄関を開けて聡太君を通した


「これ部屋に持ってけばいいだろ?」


「ここでいいよ?」


「いや、持ってくよ。」


「ありがとう、じゃあお願いします!!」


そう言って階段を先にのぼり部屋のドアを開けた



「ここにお願い!!」


「あぁ。」


「わざわざありがとね♪」


「いや、いいよ。ってか結構部屋きれいにしてんだな。」


「あんま見ないでよ?恥ずかしいから。」


「そうか?ってかベッドにネコいるぞ。」


「あっ!!また勝手に…。」


「名前は?」


「クロだよ。」


「まんまだな。」


聡太君はそう言いながらクロのそばに行くと頭をなでていた


「ネコ好きなの?」


「あぁ。でもうちじゃ飼えんし諦めてる。」


「じゃあたまには見に来る?」


「うん、来る。」


クロをじっと見て静かにそう答えるとクロが自ら聡太君にすり寄っていった



「珍しいなぁ、クロから人に近づいてる。」


「なんで?」


「いっつも触られても気にしないけど自分から行くことないんだよ?」


「へぇ、可愛いな。俺になついてくれんのか?」


そう優しく笑いながらクロを抱き上げていた


その横顔がやはり先生に似ていると思った


まるで兄弟みたいだ







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