幸せの寄り道




それからしばらくすると試合は始まった


陸上の試合といっても学年対決という正式なものではないので全員で全種目をするといった競技だった


もちろん強制じゃないので参加しない人は準備の係と記録の係を分担していた



「それではこれより試合を始めます。」


顧問の先生の合図で名前を呼ばれた人が次々と各種目を行っていた



「聡太調子いいね~。」


「宮内さんわかるんですか?」


「そりゃ聡太のことずっと見てるから。」


「なんかそれもまた恐いですね…。」


「変な意味でとらないで~。そっちの世界には行ってないから(笑)」


「それより宮内さんって聡太君とどんな関係なんですか?」


「う~ん。昔ね、俺がこんな調子ですっごい人に目をつけられて大変だったんだけど…。聡太はその時助けはしてくれなかったけど、目は逸らさないでくれたわけ♪だからいま付きまとってるってわけ(笑)」


「複雑な…。(笑)」


「でもね、聡太はわかってたよ。変にいい人ぶられるよりもそのほうが気が楽なわけよ、こっちからすると!!」


「へぇ。」


「まぁ、あの性格じょうたまたまかもだけど(笑)」


「性格…。そう言えばやけに紳士的なとこありますもんね。」


「そうなのよ、男でもキュンと来る(笑)」


「……。」


「いや、冗談だからね?退かないで~」


「……。」


「おねが~い!!」


「…ぷっ。宮内さん面白いですね~(笑)」


「わ~、陽向ちゃん意地悪~。」


「だって、なんか面白くって。」


「それよりあそこのボード見て!!」


「今のところ聡太は2番だねぇ。」


「あと一人なのに…。」


「俺らが話してる間に種目も結構終わってるし、そろそろ勝負がつくかもね?」


「え、そんなに早く?」


「だって参加してる人数少ないからねぇ(笑)」




確かに参加しているのは10人だけだった



残りは高跳びと短距離走らしい



あと1人…。




勝って、聡太君!!






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