幸せの寄り道




~陽向~




今日は聡太君の試合の日だった



だけど幸奈は都合が悪くて一緒にはこれなかった



「あれ?陽向ちゃんじゃな~い?」



前から来たのは駐輪場でやたら聡太君に絡んでいた人だった



「はい。えっと、名前わからないんですけど…。」



「あぁ、聡太教えなかったのね?俺は宮内、よろしくね~♪」


「宮内さん聡太君の応援ですか?」


「う~ん、どうだろうね?(笑)」


「あいまいですね…。」


「だって聡太は君さえ来れば試合なんてしなくても結果はわかっちゃうからね(笑)」


「え?」


「おっと、これ以上は言えないなぁ。どうしてもって言うなら~♪」


「いうなら?」


「聡太に聞いて♪」


「宮内さんってなんかなに考えてるかわかんないですね(笑)」


「そう~?実はすっごく考えてたり考えてなかったり~♪」


「どっちですか?」


「どっちだろうねぇ(笑)」


宮内さんはニコニコと笑いながら楽しそうにしていた



正直とてもつかみにくい人だと思う



「早く見にいこ~?」


「え、結局応援するんですか?」


「聡太次第かな~?」



そう言って私の背中を押しながらグランドのベンチに行きそこへ座った






「聡太~!!陽向ちゃん来たよ~♪」



大声で手を振りながら宮内さんがそう言うと聡太君はこちらを見てすぐ違うところを見た










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