孤高の天使
「天界も…ラファエル様も絶対に消させはしない」
「この状況でそのような言葉は無意味にも程がありますよ。貴方は無力で孤独な天使、そうでしょう?」
アザエルの言うとおり、私の聖力は封じられてほとんど意味をなさない。
しかしこの窮地を脱出するための勝算がないわけではなかった。
緊張の面もちで背後の様子を探りながらゆっくりと右手を服の左袖に持っていき、指先に当たったものをギュッと握った。
そして、それを素早く取り出し私の体を掴むアザエルの手に滑らせた。
バチッ…――――
「ッ…何を…」
火花を散らしたような光が発生し、反射的にアザエルの手が緩んだ。
その隙をついて私はアザエルの腕からすり抜け、アザエルと対峙する。
不意をつかれたアザエルは驚いた様子だったが、私が手に握っているものを見ると納得したように笑みを浮かべる。
「ほう…聖剣ですか。だがそんなものを持ったところで何の脅威にもなり得ない。聖剣も聖力に比例してその力を増すことを貴方も知っているでしょうに」
先ほどは不意をついたため拘束から逃れられることができたが、今度はそうもいかないだろう。
それにアザエルの言う通り聖剣も聖力に応じた力しか発揮できない。
すなわち、今の私では四枚羽のアザエルと互角に渡り合う力もないのだ。