孤高の天使



キー……パタンッ……――――


ラファエルの部屋へ戻るが、ラファエルはいなかった。

自分が呼んだくせに…と思うも少し安堵する。

ほっ…と小さく息を吐けば、一日の疲れがどっと押し寄せる。



今日はたくさんあるいたから…


ふらふらとソファーまで近寄り、手に抱えていた荷物を床に下ろす。

そして、そのまま重力に逆らわず、ボスンッと体をソファーに沈めた。




さっきのあれ…本当にラナだったのかな……

私を迎えに来てくれたの?

何故何も言わないで消えちゃったの?




ラナ……会いたい……―――







フッと次に覚醒した時。

ソファーに座るラファエルがこちらを見下ろしていた。

私が目を覚ますとラファエルはふわりと笑い…



「おはよう、イヴ。」

「わたし……」


寝ぼけているのか前後の記憶が曖昧でポツリとつぶやく。



「ルーカスたちと城下へ行って疲れたんだろう、ずっと寝ていた。」


ラファエルが私の記憶を補うようにそう説明した。




「楽しかったかい?」


そう聞くラファエルに「はい…」と答える。




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