孤高の天使
翌日―――――――
今日私の憂いが晴れると言った本人は「出かけてくる」と言って出て行ってしまった。
ラファエル様って普段何をしてるんだろう…
このお城にいるときは書斎に籠ることが多いみたいだけど。
天界より自治が進んでいる魔界ではかえって魔王様のお仕事も多いのかな。
天界では何もかも全てに役割があるから、皆自分の仕事は決められているし。
能力のない私はただの天界にいる天使に過ぎなかったけど…
魔界の城下町を見たところ、悪魔は自由に生きているようで。
けれど自由は統治なしに成り立たない。
そして、魔界で統治をする立場にあるのは魔王しかなく…
ラファエル様はそのお仕事で忙しいんじゃないかな…なんて勝手に思っている。
護衛付では外にも出してもらえない私はいつもこの部屋でお留守番。
大抵イリスとリリスから魔界の歴史についての事や、城下町に行った時の話を聞いていた。
コンコンッ―――――
部屋の扉が叩かれる。
今日も来たのかな?
「どうぞ」
イリスとリリスが来たのだと思い、誰とも聞かずそれだけ言った。
するとキィー…と扉が開く。
そして、部屋に入ってきた者を見て驚いた。