先生の隣
「先生?」
ハッとすると目に涙をいっぱいためた山中。
「お…おぉ、ごめん。どした?」
やばいな、俺。
完全に思い出にふけてたし。
「先生だからダメなんだけど…それでもやっぱり諦められなくて…どうしようか迷ったけどやっぱ伝えたくて…」
俺はうんうん、と相槌をうちながら聞く。
「私…先生のことが好きです」
ほら、きた。
でも断るしかないんだよ…ごめんな。
「ありがとう。山中の気持ちは嬉しいよ?でも俺は先生でお前は生徒だから…それ以上でも以下でもないんだ」
ついに山中は涙を流した。
そして笑ってこう言ってくれた。
「気持ち聞いてくれてありがとうございます。結果はわかってましたけどやっぱ言ってよかったです!!次のテストも数学頑張りますね♪」
よかった…この性格はありがたい。
「おう!!わからないとこあったら聞きにこいよ!!」
「はい!じゃあ、さよーなら!!」
「はい、さようなら」
山中の背中は小さかった。
ごめんな…